第3回市民医療講演会

泉南藤井病院では2019年11月2日(土)に

「第3回市民医療講演会」

(エブノ泉の森ホール)を開催しました。

2019年4月に開催された前回よりも定員人数を拡大しており、近隣にお住まいの方を中心に60名のご来場をいただきました。

糖尿病合併症・血液透析/腹膜透析について、当院の医師や管理栄養士に加え、更に今回は実際に腹膜透析を実践されている患者様にもお話をいただきました。

 

  • 「糖尿病 合併症のおはなし」

泉南藤井病院 院長 宮野元成

糖尿病に特有の三大合併症「しめじ」(「し」神経障害、「め(眼)」網膜症、「じ」腎症の順番で起こる)について、それぞれどのような症状や治療方法があるのでしょうか。

・「し」糖尿病性神経障害:足の裏からビリビリ・ジンジンと痛みやしびれが現れ、進行と共に膝にあたりまで上がってくると、手の先にも症状が現れます。

・「め」糖尿病性網膜症:網膜が出血を起こし、進行し出血の増加に伴い見えない範囲が広がり、失明に至ることもあります。糖尿病の方は自覚症状が無くても、1年に1回眼科を受診しましょう。

・「じ」糖尿病性腎症:近年では透析導入原因の断トツの1位となっています。腎臓機能評価として、eGFRの数値(血液検査のクレアチニン値・性別・年齢より算出)が指標となります。加齢と共に下降のスピードも速くなりますが、30以下が慢性腎不全とされており、40代で55以上・70代で40以上の数値が目標です。

  • 「血液透析と腹膜透析について」

藤井病院 副院長 射手矢巌

末期腎不全の主な治療方法である血液透析・腹膜透析とはどのようなものなのでしょうか。

血液透析は血液を抜いて綺麗にして戻すことを、1回につき4時間かけて行います。体内の水分量が変化することで血管・心臓にやや負担がかかります。これに対し、腹膜透析はお腹の腹膜腔を透析の膜として使い、体内ですっと透析が行われている状態です。体内の水分量は一定ですが、1日に4回の液交換(30分)が必要です。

血液透析との最大の違いは、透析液からタンパクが流れる分、タンパクの食事制限をせず、逆にたくさん摂取しないといけないということです。透析効率が悪い・自身の腹膜が不向きな場合もある・7~10年以上は継続できないといった短所もありますが、年齢が若く、社会活動レベルを維持したい方にとっては、腹膜透析は有力な選択肢ではないでしょうか。

日本の透析は高レベルであり、透析は今や特殊な治療ではなく、より充実した人生を過ごすための新たなパートナーです。患者様ご自身だけでなく、ご家族や周りの方々が理解・協力し、「みんな、一緒にいつまでも」前向きに取り組みましょう。

 

  • 「腹膜透析を経験して」

村田淳司氏

実際に腹膜透析を実践された体験をお話しいただきました。血液透析とどちらを選択するかの検討、自宅での取り組みへの不安、1年間実践した感想など患者様の生の声をお聞きすることができました。

腹膜透析は血液透析と比べてまだ導入件数は少ないですが、医師や医療機器関連業者の方と不安や疑問を解消しながら検討されると良いのではないでしょうか。

 

 

  • 「食塩を摂りすぎると…?」

泉南藤井病院 管理栄養士 庭瀬ひとみ

腎臓病の食事療法においては塩分制限が必要です。私たちの普段の食事には、一体どのくらいの塩分量が含まれているのか、また、どのように塩分制限に取り組めばよいのでしょうか。

会場では0.5%の食塩水を実際に飲んでいただきましたが、「あまり塩っぽく感じなかった」といった方は、味付けが辛口(塩分の多い食事)になりやすいので、薄味に慣れるよう食生活い注意しましょう。外食や加工食品は塩分が高いので控える、むやみに調味料をかけない、めん類の汁は残す…などいくつかの減塩のコツをご紹介させていただきました。

 

〇おわりに

ご参加の皆さまからのアンケートでは、80%の方が「次回も参加したい」とのお声をいただきました。また、「改めて病気についての知識の重要さがわかった」「体験談をお話しいただき参考になった」「これからの治療を頑張ろうという気持ちになった」など前向きなご意見もお聞きすることができ、講師をはじめとするスタッフ一同、大変嬉しく思っております