梅田ガーデンシティ女性クリニック

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女性の約半数の方が一生に一度は罹患したことがある病気が膀胱炎です。なぜ女性に膀胱炎が多いかと言えば、男性で20cm以上ある尿道が女性ではわずか4cmしかなく、尿道を経由して膀胱に細菌が侵入しやすいのが大きな理由です。ここでは多くの女性がかかったことのある急性単純性膀胱炎と最近多くの患者さんがいることがわかってきた間質性膀胱炎についてお話ししましょう。

○急性単純性膀胱炎 

原因

細菌が尿道を経由して膀胱に入ることと膀胱内で増殖して炎症をおこすことによって発症します。原因菌はほとんどの場合大腸菌です。では細菌が膀胱内に侵入すれば必ず膀胱炎になるかといえばそうではありません。膀胱の粘膜には細菌を殺す機構が備わっているので、体調が悪くなければ膀胱炎を発症することは稀です。体の免疫機構が弱った状態、例えば感冒などのウイルス疾患にかかっているときや月経中であるとき、過労や睡眠不足の時などに細菌が侵入してくると膀胱炎を発症しやすくなります。ではどんなときに細菌が侵入するかと言えば、オーラルセックスを含めた性交渉、月経中などで陰部が不潔になりやすい時などが考えられます。

予防

ですから膀胱炎にならないためには、体調のすぐれない時には性交渉は控える、月経中には無理をしないなどの注意が重要です。一般には排尿を我慢すると膀胱炎になると考えられているふしがありますが、排尿を我慢することで膀胱に細菌が侵入することはなく膀胱炎になることはありません。むしろ初期尿意(約100−150cc)での排尿を繰り返していると機能的膀胱容量が減少して、頻尿となります。逆に頻尿や過活動膀胱と呼ばれる病気の治療には排尿を我慢する習慣をつける膀胱訓練という行動療法を行っているほどです。排尿はすこし我慢する習慣をつけた方が良いのです。

治療

抗生物質による治療が有効です。最近の抗生物質は強力なので特殊な耐性菌を除けば2,3日の服用で細菌は消失します。一般には膀胱炎になれば水分を多くとることが推奨されているようですが、水分を多めにとるのは三日間で十分です。細菌がいなくなった後は、むしろ排尿回数が少ない方が膀胱の粘膜の再生や再感染の予防には良いのです。

繰り返す単純性膀胱炎

このような膀胱炎を繰り返す患者さんの中には尿の出口である外尿道口が膣に非常に近い構造を持った方がおられ、このような方が性交渉をすると外尿道口が膣の中にまくれ込み、細菌が非常に侵入しやすい形になっていることがあります。簡単な手術で治療することが出来ますので専門医に相談すると良いでしょう。

○間質性膀胱炎

聞き慣れない病名かも知れませんが最近、予想以上に患者数が多いことがわかってきた慢性進行性の膀胱炎です。病気の存在を知らないと決して診断することができない疾患なので是非記憶の片隅にとどめておいてください。

症状

典型的な症状は尿が貯留したときの膀胱痛ですが、尿貯留時以外の痛み、それも尿道痛、会陰部痛、下腹部痛などを訴える場合もあります。軽症の方では、頻尿や尿意亢進などで受診される方も多く、過活動膀胱などと症状が似ています。

検査所見

尿所見に異常が認められないことがほとんどで、泌尿器科に受診しても「膀胱炎ではありません」「異常ありません」などと言われ、医療機関を転々とする患者さんや、精神科に紹介されてしまう患者さんもおられます。

診断

麻酔をかけた状態で膀胱鏡で膀胱内を観察しながら膀胱に水を80cm水柱で注入し膀胱を拡張します。その後水を排出してゆく過程で膀胱粘膜から出血してくることを確認することで診断がつきます。この膀胱水圧拡張が同時にこの病気の初期治療になります。

原因

詳細は不明ですが、想定されているメカニズムとしては膀胱の粘膜を透過して炎症が間質に及びアレルギー反応を起こし、そこでおこった炎症が局所に留まり遷延するといったことが考えられています。 臨床経過 炎症が遷延し消長を繰り返しながら次第に悪化してゆくと言った経過をたどり、膀胱は萎縮していきます。20歳台で発症し、最初は頻尿程度の症状であったものが、消長を繰り返し40―50歳で典型的な膀胱痛を来すようになり医療機関を訪れるといった経過をとります。

治療

前述の麻酔下膀胱水圧拡張が診断を兼ねて治療の第1選択となります。薬物療法として国内では保険診療で認められた薬はありませんが、抗アレルギー剤であるトシル酸スプラタンストや各種漢方薬、消炎鎮痛剤、抗不安薬などが用いられます。ヘパリンやDMSOといった薬品の膀胱内注入なども試みられています。生活上の注意としては、食事内容に注意することにより症状の軽快が得られることがあります。

その他

間質性膀胱炎と同じ症状を来すものとして膀胱上皮内癌がある(約1%の頻度)ので、水圧拡張時に病理組織検査をしてチェックする必要があります。 以上、間質性膀胱炎について簡単にお話しました。頻尿を訴えて受診される患者さんで抗コリン薬の無効な方の半数近くは間質性膀胱炎の可能性がありますので、こういう疾患があることを記憶にとどめておいてください。

 

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