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むかしむかし、バブルの頃のお話です。私が働いていた病院はある田舎町にありましたが、そんな田舎でも当時は景気が良かったですねえ。そんでもって少しエラい立場の人たちには接待が多かったようです。・・ようです、なんて書き方をするのは私には縁の無い世界の話だったから。でも確かにそんな雰囲気は感じましたねえ。そんなムードのある年の9月、いきなり月変わりの最初の外来でした。何だかよくわからないけどお腹の調子が悪いと言って受診するサラリーマンが増えたんです。最初は集団食中毒かと思いました。けれど聞いてみるとそれまでの食事内容はバラバラでそんな感じではない、共通なのはみ-んなサラリーマンで中年以降のオッサンがほとんど。当時の風潮としてあっちこっちで接待を受けていたような人たちでした。で、診察してみると軽い胃腸炎でして別に悪性腫瘍など重大な病気は見つかりませんでした。はは-んと思って顔見知りの患者さんに聞いてみるとやっぱり接待が多かったんですけど、それだけなら9月にはいって急に増えることにつながらない。実はその年は盆過ぎから急に秋の気配が出てきまして、気温が高いままなのに気配だけは秋が近づいてきている、そんな感じでした。まだまだ暑く感じますからやっぱり夏のスタイルで生活しちゃうんですけど“暑さで汗を流しているのに体の芯は冷えてきてる”から接待なんかで胃腸に負担をかけるとお腹の調子を崩しちゃうんですね。ちなみに若い人が大丈夫だったのは一つは接待には縁が無かったことと、もう一つは若い人は少々冷える環境でも若さがカバーしてしまうからだったみたい。で、似たような症状の患者さん達に(当然中年以降のオッサンばかりです)いくら暑いと思っても体の芯は冷えてきてますから冷たい飲み物は控えめにして、たとえ暑くて汗が出てもお腹を冷やさないように注意してくださいって説明したら、皆さん思い当たる節があったようです。実はもっと気温が下がると逆にお腹の調子は崩れにくくなります。なぜなら誰もが保温に注意するようになりますし体が夏バージョンから秋冬バージョンに変わっていくから。
あまり意識されていませんが季節変動が体に与える影響は大きなものがあります。春夏秋冬、人の体の診察を続けていますと、そのことを実感します。けれど、最近思うんですよ。患者さんの体の変化だけじゃなくで春夏秋冬季節の移ろいも実感したいもんだワって。毎日毎日ま~いにち、仕事に追われて休日は資料の整理か寝ているか、正月が来たと思ったら、もう9月、きっと師走が来るのもあっという間だろうなあって。
“気がつけば鐘が鳴るなりおおみそか”だなあ・・・。
春夏秋冬、体のうつろい
患者さんの体を1年診察していますと季節の変化に合わせて体の機能が変化していくことを実感します。ただ、年を取るとその変化スピード(環境適応能力)が衰えるため、それを自覚する必要がありまず。それを意識するだけで体調を崩す頻度を減らすことが出来るんですが“まだまだ俺は若い”と思い込みたがる中年男性特有の悲しい心理を乗り越える必要があるんですね。これが困難!